名市大は学歴フィルターに通る?
先日、こんなニュースが話題になりました。
見た人はいるでしょうか?
『学歴フィルター』
就活をしていたら誰もが気になるセンセーショナルなワードです。
はるか昔から今までいろんな人が議論してきたでしょうが、絶対的な結論の出ないテーマの一つと言えるでしょう。
学歴フィルターは存在する? 存在しない?
あるとしたら私たち名市大はどうなる?
そんなホットな話題について、エンカレ名市大支部の3人の論客で議論してみました。
【A君】
就活そんなちゃんとやってなかった出遅れ組。
右往左往しながら就活してた。ぐーたら男。
【B君】
3年夏にインターンに行きまくり、早期選考で第一志望に受かる。
【Dちゃん】
2年生の時から就活をはじめた就活ガチ勢
前半戦:学歴フィルターはある?
「みんな知ってることをわざわざ今さら言う必要はないと思いますが、学歴フィルターはあります。低レベルな企業ばかりを受けている人間はないと言いがちですが
「みんなー。なかなか面白いニュースが来たぞ。『マイナビをめぐっては学生に送信したメールのタイトルに「大東亜以下」と記載していたことが明らかになり、大学名を基準に学生を選別する「学歴フィルター」を使っているのではないかとネット上で波紋が広がっています。』だってよ」
「マイナビのメール担当の人がミスって、テンプレートの文章を修正しないまま送信しちゃったって感じなのかな? まあ、こんなんが送られてきたらそりゃ、いろんな邪推をされるのは当然だよね。」
「これをめぐってネット上はえらいこっちゃになってるね……。これを機に『学歴フィルター』に関するいろんな議論が始まってる。」
「結構いろんな意見があって面白いね。個人的には『これは単なるターゲティング広告であって、学歴と採用の関係とはまた別の話では?』っていう意見がなかなか鋭くて興味深い。」
「東急グループのインターンの告知に関するメールらしいね。せっかくなんで東急グループからいくつか会社を抜粋して採用実績校を調べてみたぞ。」
より引用
より引用
「……こうしてみると、いわゆる『大東亜以下』の偏差値の大学からの採用が結構あるね」
「そうだな。この会社はそこらへんの偏差値帯の学生を多く採用している。だからその偏差値帯の学生に向けて専用のメールを送った。そう考えれば今回の騒動はそんなにおかしな話じゃない。」
「まあ確かに。そういやぼくも『東海地区の企業の採用について』のメールよく来てたわ。あれもそういうグループ分けの結果振り分けられてたんだろうね。」
「そう考えたら別に普通のことかもしれないけど……。でも偏差値帯によって学生をグループ分けしてたのは事実でしょ? それは学歴による扱いの違いってことにならない?」
「マイナビ曰く、単純に人数を分けるためらしいけどね。」
「しょうもない言い訳だなあ。」
「クライアントへの迷惑を考えると、そういう苦しい説明をせざるを得ないんだろうね。」
「学歴によって就職に有利不利があるなんてみんなうすうす感じてるけど、企業はそりゃおおっぴらに言う訳ないよな。」
「そういうもんだよね。」
「いい機会だからせっかくなんで、ぼくら名市大生の視点から学歴フィルターについて考えてみようか。」
名市大は学歴フィルターに通る?
「議論するのはいいけど、そもそも『学歴フィルター』は存在するものとみなすんだね。」
「言葉の定義が不正確なのがちょっと問題だな。本来は一定以下の学歴の学生は問答無用で落とすっていう文字通りのフィルターを『学歴フィルター』って呼称してたっぽいけど、最近は結構拡大解釈されてる気がする。学歴の差によって生じる有利不利をひっくるめて『学歴フィルター』って呼ぶこともあるよな。」
「有利不利と言っても、学歴低い人を排除するフィルターがあれば、学歴高い人を優遇するフィルターもあって、本当にいろいろあるだろうしね。」
「実際どうなんだろうね。みんなの就活の時はそういう学歴の影響感じた? ぼくはあんまり感じなかったよ。」
「私も正直そんなにかな。」
「俺も感じなかった。」
「全員同じであんまりおもしろくない。」
「僕たち学生の視点では分からない事の方が多いけど、少なくとも体感するほどの有利不利を感じたケースは少ないみたいだな。ちなみに俺は実際に名市大は有利にも不利にもならないくらいのポジションだと思ってるぞ。だから、エントリーシート出して落ちたら大学名がどうたらの前に単純に内容が悪いだけと考えた方がいいだろう。」
「辛辣だ……。」
「まあ、でも実際そうだろうね。超超一流企業だったら実はフィルターに引っかかるとかあるかもしれないけど、たぶんすごいレアケースな気がする。
「学歴で足切りされるようなことはほぼないかもしれないけど、上位層の争いだと、ちょっと不利になったりとかないのかな? それこそ周りが東大生ばっかりならすごい厳しそうな感じするけど。」
「集団面接とかグループディスカッションで、他の人の学歴強いのばっかだとビビるよね。」
「就職実績のデータを見れば、一流大学は一流企業に行く数が多いし、一流企業もある程度高い学歴からしか採用してない。『フィルター』ほど理不尽なものではないにしても、学歴の高さと就職の強さに相関があるのは事実じゃない?」
「まあ、一理ある。でもその違いは学歴っていう看板の影響ではないと思ってるけどね。いい大学いってるヤツは優秀であることが多いし、カスみたいな大学いってるヤツはカスみたいなヤツばっかりっていう人の中身の方が影響してるんじゃないか。」
「口が悪いなあ。」
「せっかくだから、学歴と就職の関係が分かりそうな記事をいくつか貼ってみるね。」
「でたでた。こういうランキング記事ってみんな好きだよね。(笑)」
「なんかバカにされてる気がする……。まあ、信頼性は微妙かもしれないけど、分かりやすいからね。インターネットネイティブの悲しき性だよ。」
「有名企業への就職率は……名市大は73位か。……低くね?」
「それに引き換え、豊田工業大学4位、名古屋工業大学7位、名古屋大学12位、と他の名古屋の大学が軒並みすごい。」
「それに限らず、旧帝大、早慶、MARCH、関関同立、その他上位国公立の大半は50位内に大体おさまってる印象だな。」
「あっきらかに大学の偏差値とかブランドと、就職の強さ関係してるじゃん。やっぱり学歴フィルターはあるぞ!!」
「そーだそーだ。なんだかんだ学歴は大事みたいだぞ!!」
「関係があるのは事実だろうな。だけどそれはさっきも言った通り本質的には中身の話だ。このランキングは大学の強さというよりは、その大学の学生の、性質の傾向を示すものだと思うぞ。」
「なんか難しそうな事言い出したな。」
「別にシンプルなことだ。このような大学ごとの就職先の違いは以下のような要因で決定しうると俺は思っている。
「いろいろあるね。」
「偏差値や大学ブランドはもちろん大事だが、それ以外の要因もいろいろ関係するだろうからな。」
「よく考えたら高ランクの名古屋工業大学、豊田工業大学はともに名市大とだいたい同じくらいの偏差値だしね。このへんは偏差値と言うよりも学部の影響かな?」
「東洋経済のその記事にも書いてあるけど、理系は有名企業への就職が強い傾向にあるらしいね。名工大の就職実績見ても、有名なメーカーに行く人が多すぎる。」
「対して、民間就活する名市大生は人文社会学部と経済学部がボリューム層で、明らかに文系に偏っている。そういう構造もこのランキングの差を生んでいる要因だろうな。」
「くそー。やっぱり文系は不利かー。」
「その判断は安直すぎると思うけどな。現に、一位の一橋は文系の大学だし。学部ごとに行きがちな就職先の傾向があるっていうだけの話だと思うよ。文系は理系の専門性を羨ましがるかもしれないけど、理系も文系の選択肢の多彩さを羨ましがるだろう。」
「学部に関しての議論はまた今度だね。」
「他の要因で大きいのは、やっぱり地元へのこだわりかな。首都圏の大学とのランキング差を生む一番の原因はたぶんここだろう。」
「確かに。体感の話だけど地元にこだわりたいっていう人はかなり多い気がする。」
「そうなると、そのランキングの集計対象になっている『有名企業』とやらに行くケースは少なくなるよね。」
有名企業400社は、日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定。
「これはつまり日経225とかTOPIXやらに、非上場大手とか有名な大手子会社とか最近あついベンチャーとか(それをベンチャーと呼ぶのかはよく分からん)を加えて選んだんだろうね。そのへんの企業って関東本社で全国的に展開してるとこが大半だ。」
「そうなると、地元就活する人が多い大学はそのランキングで上に行きにくいってことになるね。そこらへんも、名市大のランクがやたら低い原因なのかな。」
「〇〇〇系列の〇〇〇〇〇メーカーとか入ってるの少ないだろうなあ。〇〇〇〇はごっそり入ってないだろうし、〇〇〇〇も入ってるか怪しい。名市大生が行ってる〇〇〇〇とか〇〇〇〇〇とかいい企業なのにたぶん入ってないよなあ……」
「不利なランキングってことかあ。」
名市大は地元では有利?
「ただ、私の就活してた時の体感として、名市大は東海圏の企業はちょっと有利なんじゃない? って思ってるんだけど。」
「俺は地元ではあんまり就活してないからあまり分からないけど、そうなの?」
「なんか人事の人に『へえ~名市大は優秀ですねえ~』ってよく言われたし、OB訪問でも名市大の人にいろいろ会わせてもらってすごく参考になった。」
「ぼくも名市大とはいい大学行ってますねえってそこそこ言われた!!うれしい!!」
「リップサービスっぽいけどなあ。」
「適当におだてられてると分かっていても嬉しいものなんです。」
「OBみたいな名市大生とのつながりは就活にすごい役立つものだと思うけどね。同じ立場の人の話は自分にも通じるところが多いし。『名市大生を採用した企業』という時点で学歴フィルターを抜けられていることは証明されてるし。さっきは名市大は有利にも不利にもならないくらいのレベルって話があったけど、こういう人のつながりによる局地的な有利はあるんじゃないかな。」
「ぼくが内定出た企業もゴリッゴリに名市大生のつながりがあるところだったから、大学名による恩恵は少なからずあった気がする。」
「そうなのか……。それはなかなか無視できないメリットだな。それは有利になると言えるだろう」
「ここで大事なのは、『選考で有利になるわけではない』ってことだね。だけど、名市大生のつながりで得られる情報を基にエントリーシートや面接の準備を作りこめばそれは明確に他の学生との差別化になる。先行で有利になりはしないけど、そういう形で間接的に選考に有利に"する"ことはできる。」
「そうやって考えると大学って就活において大事だね。結局大学が大事なのか大事じゃないのかよく分からなくなってきたぞ。」
「こういう二元論でどっちかが正しいって言い切れるケースの方が少ないわな。学歴は就職に影響する要素だが、それにとらわれすぎても現実を見失う。両方の意見に耳を傾けながら、自分なりの思想を作ることが大事だ。まあ、俺は学歴はそんな関係ない派だけど」
「約5000字の文章読ませて『結局どっちか分からないね☆』って結論になるのしょうもないね。」
「それはもうしょうがない。」
シャッフル面談をしよう!!
「就職活動において『先輩の経験』っていうものはノウハウとして蓄積されていってくれると助かるけど、現実問題そういうのは少ないよね。大学のつながりによる恩恵も、相当豊かな人間関係持ってる人じゃないと活かしにくい。」
「コロナで『人のつながり』の多くが壊滅したから、余計厳しいよね。」
「ところが、後輩のため就活のアドバイスを全力でやってくれる頭のおかしい集団がいるらしいぞ。」
「今回の学歴の話もそうだけど、就活の考えや意見なんてマジで様々で正解はないからね。時代によっても、人の立場によっても、目指す業界によっても、容易に変わってしまう。だから、いろんな人の話を聞いて自分の考えをアップデートすることは大事なはずだ。」